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どうなる?無人航空機操縦ライセンス制度

2022年空の産業革命のロードマップレベル4のフェーズにに向けて、無人航空機操縦ライセンス制度を国が立ち上げることになりました。このライセンスについて、今後どのような形態になっていくのか注目されるところですね。これまで国土交通省が途中経過を発表した内容を整理してライセンスがどういう形になるのか迫っていきたいと思います。

国土交通省「空の産業革命に向けたロードマップ」の内容について

このたび国土交通省が発表した無人航空機の操縦ライセンス制度導入が、なぜ行われようとしているのかを知るためには、まず、空の産業革命に向けたロードマップを読み解けば理解が速いです。このロードマップの中身を簡単に説明すると、フェーズがレベル1からレベル4まであって、2022年にレベル4を実現するという建てつけになっています。レベル1は目視内の操縦飛行で、活用例として、無人航空機による農薬散布、空撮、インフラ点検を目視できるところから操縦するもの。レベル2は目視内での自動航行、自立飛行で、活用例としては、目視できる範囲を測量、ソーラーパネルの点検を自動航行機能を使って行うもので、レベル3は、無人地帯を補助者なしで目視外飛行させることで、活用例としては、目視外航行、補助者なしで、海上、河川、森林の上空を飛行させ荷物を運んだり、河川の点検を行ったりするもの。レベル4とは、有人地帯(第三者の上空)を目視外かつ補助者なしで飛行させることで、活用例として、都市の物流、警備、インフラ点検、避難誘導や消火活動支援などをイメージしています。2020年からはレベル4に向けた具体的な施策の検討段階に来ており、レベル4は他に比較し危険度が高いことから、無人航空機操縦ライセンス制度の導入を決定し、その内容が検討されているという訳です。

飛行リスクの度合いで区分された3つのカテゴリー

無人航空機を飛行させるにあたり、危険度の高いところと比較的安全なところを3つのカテゴリーに区分してそれぞれのカテゴリーごとに必要な安全対策を行えるように考えられています。まずカテゴリーⅠですが、DID(人口集積地)外で、飛行高度150m未満で、機体と使用者の登録があれば、ライセンス不要で飛行できるエリアとなります。次にカテゴリーⅡの位置づけは、DID(人口集積地)であって、安全上第三者の立ち入りを制限したエリアの上空を飛行させることになります。この場合の条件は、機体の登録と操縦ライセンスがあれば、「夜間飛行」「目視外飛行」「人、物件から30ⅿ以内の飛行」の禁止事項の許可承認が不要になります。しかし「高度150ⅿ以上」「危険物の運搬」「物件投下」「イベント上空」「最大離陸重量25㎏以上」「空港周辺規制」の禁止事項については機体登録、ライセンスの有無にかかわらず従来通り個別の許可承認が必要となります。機体登録も操縦ライセンスも無くて飛行させようとしたときは、すべての禁止事項に対し、あらかじめ個別に許可承認が必要となります。最後にカテゴリーⅢは、第三者の上空を目視外かつ補助者なしで飛行させることになるのですが、この場合は、機体の認証、操縦ライセンスは必須でもちろん安全管理、運行管理を徹底させることが求められます。そのほか、すべてのカテゴリーに事故報告、飛行前点検の義務付け、カテゴリーⅡでは飛行経路に第三者が立ち入った場合の飛行中止が求められるほか、カテゴリーⅡ、Ⅲでは、飛行計画の通報、飛行日誌(フライトログ)の提出が求められます。当然ですが、離発着場の土地管理者の使用許可は全カテゴリー必須です。(記述内容は現段階では、国土交通省の計画案です)

免許制度について

さて、みなさんが最も注目している無人航空機操縦ライセンス制度ですが、カテゴリーⅢに対応するものと、カテゴリーⅡに対応するものの2種類が用意されるようです。また飛行形態に応じ限定条件(操縦機体形状:固定翼、回転翼はシングルローター、マルチローター、飛行条件:目視外、夜間、物件投下、離陸重量25キロ以上)を付すようです。受験資格は16才以上(カテゴリーⅡ免許は必要な申請をすれば16才未満でもOK )や身体的要件(視覚、色覚、聴力、運動能力)の基準を満たす者で、飲酒、薬物の中毒症状が発覚したときの取り消し要件がつきます。免許の有効期限は3年で講習更新です。またすべての免許に自動航行が出来ることという条件がつきます。ライセンス取得方法は次の2択です。まずは自動車免許の運転免許センター自動車試験場でのいわゆる一発試験に該当するものとして、国土交通省が定めた民間1社に指定試験機関を委託する方向で進めるようですので、自動車免許同様に一発試験を受けることができます。一方で、自動車教習所にあたる民間の登録講習機関制度をつくり、必要な講習を満たした者に試験の一部または全部を免除することになりそうですので、スクールに通って必要条件を満たせば免許(スクールによってカテⅡマルチコプター限定になるかもしれませんが)を取得することができます。試験内容についてはこれから内容を詰めていくことになっているようです。という訳で、免許は大きく2種類で、機体形状、飛行条件によって限定条件がつくスタイルになるようです。試験内容のイメージとしては、機体形状によってそれぞれ実機による実技試験があって、飛行条件の限定を解除するには飛行訓練〇〇時間以上とかの要件が必要になってくるかもしれません。また自動航行を行うことを前提としていますので、自動航行の飛行手順もマスターしていることが前提になりそうです。また、現行の国土交通省登録管理団体によるカリキュラムを終了しライセンスを取得している者の処遇をどのようにしていくのかは今のところ決まっていませんが、おそらくカテゴリーⅡのマルチコプター限定免許の範疇で全部なのか一部なのかわかりませんが試験を免除されるのではないかと推察されます。いずれにしても、2022年レベル4の実現に向けて2021年以降詳細が明らかになってくるはずですので今後の国土交通省の発表に注目です。ドローンを産業用に積極的活用していくこれからは、無人航空機操縦免許は職業ライセンスになっていき、産業用ドローンが飛び交う中で、趣味で市街地を飛行させるのは今後さらに難しくなっていくことでしょう。(記述内容は現段階で国土交通省の計画案であり決定事項ではありません)

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