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小型無人航空機(ドローン)の枠組みが変わる? 

2022年に機体重量200gから100gへ

2020年12月3日の「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」において小型無人機と模型飛行機との境界を機体重量200gとして199g以下を模型飛行機(トイドローン)としていましたが、この定義を改変する検討がなされました。なぜこのような検討をなされたのか、改変によって何がどう変わっていくのかについてみてみましょう。

 

「空の革命」ロードマップの最終段階レベル4はいよいよ来年から

国土交通省は産業用小型無人航空機の環境整備を進め2022年に人口集積地の人モノ上空を補助者なしで目視外飛行できる(レベル4)ようにするために、機体認証制度、操縦者資格制度、飛行管理のルール化の大きく3つの観点から取り組みを進めています。この中の機体認証に関する部分で、これまで模型飛行機と小型無人航空機のすみわけを200gでラインを引いて区別していたものを、100gにして、小型無人航空機の枠を拡大することを検討しています。ではなぜ枠を拡大する必要があるのかということですが、レベル4の空域を利用するのは、ズバリ物流ドローンをイメージしているためで、安全の担保が必要不可欠になってくるわけです。例えば緊急医療品を搬送しているときに規制のゆるいトイドローン(小学生も操縦可能)が航路上をビュンビュン飛行していると困るので、規制強化するといった方向が示されている訳ですね。

 

MAVIC Miniの出現が影響している?

dji社の高性能コンパクトドローン(機体重量199g)が発売になり、トイドローンカテゴリーで申請なしに気軽にしかも低価格で高機能ドローンが楽しめるとあって、人気の機体になっていますが、どうもこの存在が今回の法改正検討段階で規制対象としてベンチマークされた可能性があります。djiの製品コンセプト自体はユーザーの期待を満足させているので何ら問題はないのですが、レベル4の安全性の担保に関しては、機体がたくさん出回ったことと、だれでも簡単に飛行可能な点が課題になってしまったのではないでしょうか。

MAVIC MiniのほかにFPVマイクロドローンも小型無人航空機の対象に

MAVIC Miniのほか、マイクロドローンも小型無人航空機のカテゴリーに入ることで、市街地(did区域)の屋外で飛行させる場合は、これまでの5.7GHZの周波数帯を使用する場合のアマチュア無線開局申請に加え、機体登録、航空局への許可申請(飛行都度か包括1年)、飛行管理システム(FISS)の飛行前登録(飛行都度)の4つが必要になってきます。このような状況になってくると趣味で気軽に飛ばして楽しむということがますます難しくなってきそうです。今後、申請が少なくて済む屋内やレベル1空域のドローン専用飛行場が増えていくことでしょう。

 

リモートIDシステムが導入される

リモートIDシステムとは、飛行中の機体情報(登録番号 製造記号 位置情報 時刻など)をBluetooth通信でキャプチャ機器にタイムリーに送り所轄官庁が監視できるシステムのことで、飛行管理とテロ対策が主たる目的で、近い将来小型無人航空機に発信機をつけることを義務づけられることになりそうです。アメリカ連邦航空局(FAA)は昨年12月に法案が可決したのを受け、重量250ℊ以上の機体にリモートIDシステムを設置することを義務づけていますので、日本も同様に機体重量250ℊ以上という限定がつけば、マイクロドローンのように繊細に重量を軽くして性能を上げてきた機体にとっては助かりますね。(プロポに装着するものであれば関係ありませんが)

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