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GPSってどんな仕組みなの?

お元気ですか?

2021年もあっという間に2月の中旬を過ぎ、少しずつ暖かく過ごしやすい日が増えてきましたがお元気でしたか?私はここ最近流行病の自粛生活で身体がなまってしまいすっかり太ってしまいました。そこで意を決して毎日5キロのジョギングを始めたところ、体重が2週間で5キロダウンしてようやく元の体重で安定してきました。運動不足解消には「走る」のがお手軽で効果大なのでおすすめです。さて、今回は、ドローンの機体に搭載されているGPSについて触れたいと思います。GPSという言葉自体はなじみ深かいのですが、どのような仕組みで位置情報を得ているのか案外知らないことのほうが多かったので探ってみたいと思います。

GPSとは

GPSは(グローバルポジショニングシステム)の略号でアメリカがもともと軍事的利用で打ち上げた人工衛星による位置情報システムのことで民間にも利用できるように解放して2021年現在31機の衛星があります。そのほかロシアのGLONASSグロナス(24機)欧州のGALILEOガリレオ(24機)、日本のQZSSみちびき(4機)中国のBEIDOU北斗(35機)インドのIRNSS(8機)の合計126の衛星が地球の外周を回り衛星の位置情報を発信しています。これらの衛星測位システムの総称をGNSS(グローバルナビゲーションサテライトシステム)と言います。人口衛星からの信号は、地上の受信した位置情報をダイレクトに伝えていると私は誤解していましたが、実は人工衛星から発信される主な情報は人工衛星の正確な位置と時間だけです。地上の受信機が人工衛星から発信した時間と受信した時間の差を計算し人工衛星と受信機との距離を導きます。式で表すと「電波到達時間×電波の速度(30万㎞/秒)=人工衛星との距離」となり、導き出された距離データを球体である地球上にプロットすると円になります。さらに一つの衛星の位置情報だけでは、単に受信地点から人工衛星までの距離が解っただけで地上の受信地点の位置を特定することはできませんので、複数(最低4機)の人工衛星との距離をそれぞれに計算し、それぞれの円が重なりあう地点を求めて位置を特定しているのです。ところが、電波の速度=光速(30万km/秒)なので、1秒間に30万km進む速さのものの到達時間を計測するためには正確な発信時刻と受信時刻が必要になります。人工衛星側には原子時計が搭載されています。しかし受信側では高額な原子時計は搭載できず誤差のあるクォーツ時計が使われているため、4つ目に捉えた衛星人工衛星から送られてくる原子時計の時刻データで補正をかけています。1秒間に7㎞以上進む複数の人工衛星の電波を捉えて瞬時に位置情報を導き出すのですからかなりセンシティブなシステムなのです。加えて重力から遠ざかるほど時計は早く進むというアインシュタインの一般相対性理論で導き出した一日約30マイクロ秒進むということから地上管制から人工衛星の時計の補正を行っており、さらに月や太陽の重力による人工衛星軌道の修正も地上管制の役割だそうで、ドローンの操縦画面やナビゲーション画面にはシンプルに現在地が表示されていますが、実はものすごく高度で複雑な技術なのです。

誤差が生じる原因

皆さん一度はGPSの位置表示が点々と定まらなかったことの経験があるかと思います。原因は大きく3つあるようです。1つ目は電離層です。宇宙から大気圏を通るときに大気中にある層ですが、太陽の黒点などに影響されやすく電波の速度が遅れることがあります。2つ目は対流圏です。電離層と同じ大気中にあるのですが、乾燥状態と水蒸気を含んだ状態のところを通ると電波の屈折が起こります。3つ目はマルチパスです。構造物に当たった電波が屈折する場合があります。そのほか山の中やビルの谷間などは電波が弱くなったり、衛星の受信個数は同じでも偏った場所にかたまってあった場合は精度が下がりますし、受信機近くにある1.5GHZ帯の強い電波の影響を受けることで、不安定な状態となり誤差が生じやすくなります。ドローンを飛行させるときにGPS電波が不安定な場合は、衛星の位置と個数がある程度安定するまで待ってみたり、ロケーションを見直したりすると安定して電波を拾えることがあります。また、飛行中にGPS電波が不安定になることがありますが、この状態が長く続くようでしたら速やかに機体を離陸地点の戻すのが正しい判断だと思います。

スマホのGPSは精度が高い?

スマートフォンのGPSは、A-GPSという機能を搭載しています。これは、携帯電話の基地局の位置情報を拾ってGPSのデータを補正しているので、不安定な受信状態のときでも比較的精度が高いのです。また、車のナビゲーションでは、トンネルの中などGPS電波が途切れたところではジャイロセンサーで方位を、車速センサーで速度を検知して地図上の道路を認識しながら表示させる機能がついていますので、トンネルの中でもスムースな表示が可能なのです。測量や農業用の自動運転などにGPSを活用する場合は、Cm単位の精度が求められるので、RTK-GPSという仕組みを使って行っています。

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